SW2.5　ロゼ鉄環学院概要

【学院概要】
近年設立された遠方の地方である『樟の妖精院』、そして『アウンガルデン遺跡群学究院』との共同によって設立して間もない学院です。この学院の理念は『様々な人々に等しい機会と学びを』をモットーに幅広い分野の研究や技術・文化交流を主眼とし、『七色のマナ』と同じく身分による入学制限が存在しない学院です。
　グランドターミナル駅が存在するキングスレイ鉄鋼共和国でも東部に位置する場所に居を構え、ドーデン地方だけでなく、様々な人々が集う事を優先されたのか、設立して間もないにも関わらず、様々な学生が入学を希望して来訪します。交換留学生や教師陣にはヤツマ地方の人間も存在し、設立して間もない教育機関に関わらず、人気である理由は未知の地方の技術を学びたいと言う意図も多分に含まれている筈です。
　『ロゼ鉄環学院』は一般課程を4年。研究・修練課程を2年とし、一般課程においては魔導分野のみでなく、戦士としての修練課程も含まれ、それぞれが進むべき道を見つける為と様々な授業が用意されています。その中でも特徴的なのが、この学院における進路では平民出身であったとしても、軍関係者や国直属の魔導研究機関、その他有名な施設からの目に止まり、勧誘の声が多いことです。
　本来、設立して間もない学院において、そこまでの信頼を寄せられる事はありませんが、『ロゼ鉄環学院』はその教育課程と直接的な指導を行う教授陣の顔ぶれから既に期待が高く、試験的な意味合いも含んでいますが、優秀な人材の育成が行える可能性が高い為であると言えます。同時に、派閥や新人に乏しい機関にとっては優秀な可能性の高い人材を発掘出来ると言う事でも、呼び声が高いのです。
　同時に、『樟の妖精院』から伝わった異なる大陸の技術はそれだけで大きな要因となり、今では南の七色のマナ、北の王の雫と言われる程に名声を高めているのです。

【学院設立の経緯】
　10年前、キングスレイ鉄鋼共和国において、近年大事件が発生した。それは突如とした特殊なテレポーターの出現であり、首都の砦境界付近に出現したそのテレポーターを調査中、テレポーターが起動し現れたのは明らかに異邦の民。
　それは嘗てアルフヘイムでも文献でのみ確認されていたテラスティア大陸の人間との邂逅。であるかと思われたが、大陸から大きく外れた島国の地方。ヤツマ地方と呼ばれる特殊な地域から来訪した人々であった。最初は慎重な姿勢であった両者であったが、両者首脳格との合議の末、異なる大陸での交易協定が生まれ、ラクシアは魔動機文明の崩壊によって分断された大陸同士の架け橋を手に入れ、進み始めたのです。
　そんな中でとある協議が持ち掛けられる。『此処に武術や魔導を学ぶ為の万人による学び舎を作りたい』それはヤツマ側の一人の女性からの提案であり、現状ブルライト地方に存在するユーシズ魔導公国に存在する七色のマナ。アルフヘイム南部に存在し、魔導を学ぶ学院として対抗する学び舎を欲していたキングスレイにとってそれは好機とも言える提案であり、最高議長ゴーティエの理想に沿う提案故にその計画は推し進めれました。
　キングスレイにも『パイロン学園』や『アウンガルデン遺跡群学究院』等が存在はするものの、貴族のみが通う事を許される学園や、純粋な研究のみに没頭する学究院では、七色のマナの様に万人に機会を与える教育機関としては不十分な物だと考えられたからです。故に友好の証としても、キングスレイ鋼鉄共和国が掲げる理念としても、沿う形である学院の提案はキングスレイ側も恰好の提案だったのです。
　そして実益的な問題として、現在アルフヘイム大陸では魔神の侵攻が以前より活発化している状況が挙げられます。原因は定かではありませんが、冒険者や騎士や衛兵の不足も各地で出ており、目下対処せねばならない障害と言う点も加味し、国家として取り組むべき問題でもあったのです。
　そんな事情で設立が始まった学院は、主なノウハウはヤツマに存在する『樟の妖精院』と呼ばれる教育機関と『アウンガルデン遺跡群学究院』との共同によって作成され、両者から派遣された教師達を筆頭に、急ピッチに進められました。その影響か何と3年程で初の万人によるドーデン地方の学び舎『ロゼ鉄環学院』が設立されたのです。

【ロゼ鉄環学院・制度】
『学費』
　『ロゼ鉄環学院』の入学には入学金として3500ガメルが必要となり、全体の学費としては平均値として6万ガメル程が必要とされています。勿論、一括で支払う必要はなく、それぞれの学期の終了時に請求額を支払う必要があります。
　しかし、6万ガメルは大金に違いは無く、これでは理念の『様々な人々に等しい機会と学びを』には添わず、それを補う為に奨学金制度や特に冒険者としての活動による学費免除の制度が推奨されています。これは『ロゼ鉄環学院』内の冒険者ギルドへの依頼の仲介料や報酬金を学院へと支払う形に変換します。
　勿論、冒険者の活動のみで6万ガメルの学費を補うのは容易ではありませんが、これは現状のアルフヘイム大陸の魔神への対抗策として冒険者を経験させる事によって、万が一の事態において、一定以上の戦力を学生が持つ事で間接的に魔神や蛮族の侵攻時への対抗策を担う為です。
　同時に実践を経験した人員と言うのは軍関係者やその他組織においても重要な事項であり、人材育成の為にも推奨されているのです。
　それ以外にも学園が斡旋するアルバイトや、成績による優遇制度が揃っており、努力によって充分に補填が可能な様に整われています。

『学年制度』
　学年制度に関しては『七色のマナ』を参考とし、以下の色合いを持った汽笛が渡されます。『七色のマナ』においてはリボンですが、キングスレイにおいては偽造と劣化を防ぐ事を主眼を置き、塗装された汽笛が学年毎に用意されるのです。
　制服に関しては規定は存在しませんが、重要な行儀等で使用する特製のローブが支給され、必要があれば着用を推奨されます。しかし、宗教的な観点も相まって強制力が高いとは言い難いです。
　そして進学には進学試験が存在し、そこで規定値に満たなかった場合、進級出来ず、留年となります。留年が三年継続した場合、『ロゼ鉄環学院』から自動的に退学処分となります。

研究課程2年(6年生)	紫
研究課程1年(5年生)	青
一般課程4年	緑
一般課程3年	黄
一般課程2年	赤
一般課程1年	白

『入学試験時』
　入学前に簡単な筆記試験と新入生を対象とした闘技場による即席パーティーでの戦闘を行います。これは戦闘への結果を主眼としている訳ではなく、咄嗟の状況判断能力や純粋な能力。その他にコミュニケーション能力や協調性などを測る為の物であり、勝利その物は試験結果に大きく反映される事はありません。
　それが新入生に知らされる事はありませんが、この入学試験の結果によっては1年からではなく、2年から開始と言った飛び級制度も存在します。
　同時にこれは各国の組織の人間が観察し、目ぼしい人間を選別すると言う意味合いも含んでおり、この入学試験が切っ掛けで進路が決定して生徒も往々にして存在します。

『授業制度』
　『ロゼ鉄環学院』は二期生の単位制を採用しており、一年で4月から7月後半までを前期、9月から3月を後期とし、間に7月〜9月の夏季休暇、12月後半から1月前半を冬期休暇、3月後半から4月を春季休暇として一年を過ごします。
　そして各学年によって日取りは変化しますが、修学旅行として鉄道による他の国への遠征なども計画されています。
　同時にこの学校では冒険者としての実力の向上も主眼に置いている為か、学生による4人から5人のパーティーの作成が義務付けられており、これは同時に協調性やコミュニケーション能力を高める要因としても機能しており、授業においても同パーティーでの活動が義務付けられています。
　同学年でなくともパーティーの構築には問題ありませんが、恒例として入学試験時に組んだパーティーを継続する事が多い為に、問題になる事は余りありません。

『決闘制度』
　『ロゼ鉄環学院』では『原則として人族同士での私闘や魔法の使用は禁止とする。違反した物は状況に応じて罰金又は停学・退学処分とする』と言う校則が存在し、『鉄腕委員』によって取り締まりの対象となりますが、様々な人種が通う学院において私闘とならざるを得ない状況も有り得ます。
　それを対処する為の『決闘制度』であり、『決闘制度』の利用には教師二人以上の認証もしくは生徒会での認証が必要となります。闘技場・多目的ホール・修練場(第二副棟や様々な場所に存在する)に設置された死亡防止の魔法結界内にて、所属パーティー同士での戦闘を行い、その結果に応じて問題への対処とする制度です。その制度の規定は以下の通りです。

• 生徒会への申請はどの様な生徒でも行う事は可能。申請時には両パーティーリーダーの同意署名、「なんのためか」「勝敗による対価内容」を記載し提出しなければなりません。
• 「場所」「時間」に関しては生徒会からの通知にて決定するが、生徒側からの希望があれば可能な範囲内で指定する事も出来る。
• 決闘前に生徒側の不慮の事故や唐突な変更が行われる場合は、生徒会に通知・連絡を必須とする。状況によっては『鉄腕委員会』での調査を行ってから決闘の認証が行われます。
• 決闘時の見学は全生徒にその権利が存在する。(見学料は一律50ガメル)しかし見学席からの外部の妨害や何が事故が起こった場合、決闘は無効となり、同時に妨害側がどちらかのパーティーによる手引きであった場合、退学処分となる。